IPSA IDEA イプサ イデア 06 生命力

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小さな地球

IPSAのフィロソフィーと共鳴する、いま気になる人を紹介する2018年のIPSA IDEA
今回は「小さな地球を創るひと」としてアクアリストの三浦達雄さんにフォーカス。

三浦さんとイプサの出会いは2016年。有楽町ルミネにアクアズームを創っていただくことになってから。水槽に魚を飼って眺める従来のアクアリウムと、三浦さんの「アクアズーム」は考え方がかなり異なると言います。
「アクアズームは、生命を“ただ置く”のではなく、生命を育む空間を創りだすことがコンセプトなんです。そこでは魚も植物も微生物も、自然のなかにいるときのように共生関係を保って生きています。まるでそれ自体がひとつの地球のように」

実際、有楽町ルミネのアクアズームではハナキリン(花麒麟)が咲いたり、小さなカタツムリが生まれたり、いきいきとした生命活動が行われています。
みずから美しくなる力 “美的生命力” を見つめるIPSAは、そんなアクアズームの在り方に深く共感しています。

生きるための水

ひとつの地球のように、ていねいに水と生き物の空間を創り出すアクアリストの三浦さん。その空間を「アクアズーム」と呼ぶ理由について伺いました。

「アクアズームは、水の延長線上という意味で名付けました。生命のはじまりは“水”から。水には徹底的にこだわっています」
その水づくりは、人間が使っている水道水を、生き物が呼吸できる、本来 生物が生きている自然の水に調整し直すこと。きれいな川や湖のように、微生物の力で濾過する本質的な濾過を取り入れているため、余計なことをしなくてもきれいな水が保たれるのだとか。

生物が生きるために適した水へのこだわり。イプサが、肌のための水づくりを究極に追求するのと似た姿勢を感じました。

生き物を育む土

アクアズームを創るうえで、三浦さんが水のつぎに大事だと考えているのが「土」。
山を歩いて情報を集め、土壌づくりに活かしてきたと言います。土を焼き、良いところを選んで何種類かをブレンド。仕上げるには毎回1ヶ月以上の時間を費やすほど。

「水が循環できるよう、土壌を創っています。それがうまくいかないと土は腐ってしまうんです。水がめぐることで土は新しい酸素を得てゆたかになり、命を育みます。」
その大事な土壌づくりの詳細は、企業秘密なのだそう。

肌でいうと土の部分は、次の角層を生み出す部分にあたるでしょうか。
目に見える部分をきれいに保つために、土台づくりが大切。スキンケアの基本を教えていただいたような気がします。

長いサイクルで美を保つ

「アクアズームは、最低10年はもつように考えて創っています」とアクアリストの三浦さんは言います。創っておわりではない。今もメンテナンスに全国を飛び回っているそう。

「アクアズームは生命体として生きているからこそ、自然のままに放置していると野性味あふれる見た目になってしまう。メンテナンスが必要です。10日経つと枝がどうなるか、そのとき光はどう回っていくか、長いサイクルを見通しながらハサミを入れて整えていきます。1ヶ月に1度の時もあれば、様子を見ながら2、3ヶ月に1回のことも。場所や水槽によって対応はさまざま。彼ら(植物)の反応をみながら、その生き方に従ってメンテナンスしています。」

イプサもお客さまと定期的にお会いしてお話を伺い、その時々の様子をご相談していただけるような関係でいたい。これから先も長いお付き合いを続けていただけたらと思っています。

植物の潜在能力

きれいな水、生きている土。それにしてもアクアズームの植物たちはなぜこんなに元気なんだろう?そんな疑問に三浦さんは答えてくれました。

「植物の潜在能力である“適応能力”を利用しているんです。植物ほど適応能力のある生き物はいないんですね。置かれた場所で自分の力を発揮して生きようとします」
有楽町ルミネで咲いたハナキリンも、元はマダガスカル原産の植物。それを時間をかけて新しい環境になじむように水耕栽培に移行させるのだそう。その環境にあわせて個々のもつ力をどう引き出すかが重要なのだと言います。

私たちを取り巻く環境も一定ではありません。季節や自分の体調によってもそのとき出せる力は変わってくるはず。変化にあわせてスキンケアを見直すのも大事。MEは17種を揃えて、あなたの今の肌に対応します。

気づくというワクワクを

最後に「三浦さんがアクアズームで届けたいものは?」と伺うと、意外な原点を話してくださいました。

「大学時代、フランス文学を学びました。知的ユーモアに富んだポエムが好きで。なかでも好きな詩人のひとり、シャルル ボードレールは、“ダンディズム”をユーモア、人を驚かせること、相手が想像できないようなありえない振る舞いをすることだと言っていた。アクアズームも、人をびっくりさせたり、何かを気づかせたりする場にしたいと思っています」。

「生命の美しさ」「自然の共生」をアクアズームの空間に凝縮することで、日ごろ見過ごしがちな小さな発見に気づく。それはとてもワクワクする体験。メイクの色選びでも、思いがけない色に出会えたら、いままでにない自分にワクワクできそうです。

Profile 三浦 達雄

アクアリスト・水槽作家。
東京都多摩市に店舗「Aqua Zoom(アクアズーム)」を構える。幼少のころから趣味としていたアクアリウムの研究に携わりながら、水草や熱帯魚の撮影にも力を注ぎ、専門雑誌に写真や研究文を掲載。1993年に発表された水草の研究文はドイツの専門雑誌「Das Aquarium」に美しい写真とともに取り上げられた。1995年、アクアリウムの専門店として銀座に「Aqua Zoom」を立ち上げ、独創的な水槽レイアウトで注目を集める。1999年には三越日本橋本店にオープンアクアリウムを設置し評判を呼んだ。現在も生態系に則った小さな地球のような、自然環境に近い水槽を作り続けている。

ルミネ有楽町

季節を通じてイプサのコンセプトと商品を体感いただける新しいショップです。
東京都千代田区有楽町2-5-1 03-6551-2443(直通)